サイバーリテラシー技術専門委員会
(旧デジタルドキュメント技術専門委員会)

【 イベント 】
  • サイバーリテラシーシリーズ2002
      発信する主体へ―――サイバースペースの歩き方

1. シンポジウム趣旨
 インターネットおよびその関連技術が、社会のインフラとして爆発的に浸透し、もはやこれらなしでは社会的生活がなりたたなくなっています。しかしながら、これまでの閉じたコミュニティでの情報技術の発展とは異なり、急激な普及によって、それらを利用する個人、組織、社会の規範が追いついておらず、多くのひずみが生じていることも散見されます。
 これまでも、コンピュータの発達とともに、デジタル機器の操作に習熟するために発達してきた「コンピュータリテラシー」、それより広く、情報もろもろを取り扱う上での基本理解、言いかえれば、情報や情報手段を主体的に選択し、加工し、発信してくための能力を重視する「情報リテラシー(メディアリテラシー)」という言葉が存在し、情報技術の利用における規範が議論されてきました。
 「サイバーリテラシー」とは、上記のリテラシーを踏まえた上で、情報技術によって実現されたサイバースペースに取り囲まれることが不可避となった現代人の生き方への「規範」であるといえます。さらにいえば、技術的な側面からのみ提唱されている「ばら色の未来社会」ではなく、その危険性を十分わきまえながら、しかもそこで快適で豊かな生活を送るための「指針・歩き方」となるものです。これは、今後さまざまな観点から議論を行い、社会的な合意形成を図っていく必要があります。
 (社)電子情報技術産業協会(JEITA)サイバーリテラシー委員会は、これまでのデジタルドキュメント規格の社会的な意義について議論を重ねてきました。その結果として、上記の問題意識に帰着しました。今後、当委員会は、この「サイバーリテラシー」について多くの皆様と議論を進めていく核となるべく、活動を推進していきたいと考えています。
 そのさきがけとして、「2. プログラム」の要領でシンポジウムを企画いたしました。今回は、特に情報を主体的に選択し、組み立てるという行為に着目し、そこで得られたさまざまな問題・課題について議論を深めたいと考えています。

2. プログラム
【タイトル】
サイバーリテラシー シリーズ 2002
発信する主体へ−−−サイバースペースの歩き方

【会場】幕張メッセ 国際会議場 301会議室 (CEATEC JAPAN 2002)
【開催日】2002年10月1日 11:00-13:30
【司会】尾崎正治委員 (株)デュオシステムズ

【タイムテーブル】
 11:00-11:30 基調講演: サイバーリテラシーはIT社会『導きの杖』
   矢野直明 氏 サイバーリテラシー研究所 代表
   参考: サイバーリテラシー研究所
 11:30-11:50 事例紹介: 一億総放送局の時代
   浮川和宣 氏 (株)ジャストシステム 代表取締役社長
   参考: ジャストシステム企業情報
 11:50-12:10 事例紹介: マルチメディア・インターネット事典
   伊藤政行 氏 マルチメディア・インターネット事典 総合ディレクタ
   参考: マルチメディア・インターネット事典 by "Chamber Web"
 12:10-13:30 パネルディスカッション
   パネリスト:
   矢野直明氏 サイバーリテラシ研究所 代表
   浮川和宣氏 (株)ジャストシステム 代表取締役社長
   伊藤政行氏 マルチメディア・インターネット事典 総合ディレクタ
   富田英典氏 佛教大学社会学部 教授
   参考 新メディアで増殖するintimate stranger(親密な見知らぬ他人)
         デジタルドキュメント技術に関する調査報告書(2001年度)から
   大野邦夫委員長 ドコモ・システムズ(株)
   参考 デジタルドキュメント技術に関する調査報告書(2001年度)

3. 昨年度の反響
昨年のシンポジュウムがZDNet JAPANで以下のように紹介された。
ZDNetエンタープライズ:ブロードバンドで出来る「親密で見知らぬ他人」とどう付き合う?
ZDNetエンタープライズ:ココセコムは「21世紀のお守り」


【 事業範囲 】
インターネットの利用は日常生活の隅々にまで及び、ビジネスはもとより、行政、教育、医療など幅広い領域に適用されつつありますが、ネット上での活動に関する明確なルールが不在であります。その確立を目指し、以下の活動を行っています。

(1) サイバープライバシー、サイバーセキュリティなどを含むサイバーリテラシーに関する基本的問題の現状把握
(2) CEATECカンファレンスにおけるシンポジウム、パネル討論の開催
(3) 日本の組織におけるサイバーリテラシーに関する情報収集と問題提起活動
(4) 関連する海外組織との交流

【 委員会参加について 】
 今まさにその端緒についたばかりのサイバースペース時代において、サイバースペースに係わる企業(電子情報技術産業協会の会員企業そのもの)に属する人々は、みずからのサイバーリテラシーを高めるとともに、最終的な顧客である消費者のサイバーリテラシー向上に対しても、社会的責務を負っていると言えます。
 製造物責任法(PL法)への対応やISO14000シリーズの認証取得など、企業が消費者に対する責任、環境問題への取り組みなどの社会的責任への配慮を示すことが重要視される時代にあって、サイバーリテラシーに対する自覚の欠如は、企業の危機管理という意味でも、消費者に対する社会的責務という意味でも、もはや許されるものではありません。 企業の利益保全のための危機管理と消費者に対する社会的責務とは決して相反するものではなく、技術を提供する企業とそれを享受する消費者が、ともにサイバーリテラシーを高め合っていくことは、未来のサイバー社会をより幸福で豊かなものにしていくための重要な社会的活動であると言えましょう。
 昨年度まで「デジタルドキュメント技術専門委員会」として活動してきた私たちは、上記のような問題意識のもとに、2002年度からは委員会の名称を「サイバーリテラシー技術専門委員会」と改め、企業内技術者自身のサイバーリテラシーそのものを高めていくこと、また消費者社会に対してサイバーリテラシーへ関心を喚起していくことを、大きな目標と定めて再スタートを切りました。
 サイバーリテラシーに関心をお持ちになられた企業は、本委員会活動にご参加下さり、気鋭の技術者を委員として派遣して下さるよう切にお願いする次第です。

サイバーリテラシー技術専門委員会
委員長 大野 邦夫(ドコモ・システムズ(株) 事業開拓室主席技師)


【 委員会参加のお問い合わせ 】

(社)電子情報技術産業協会 標準・技術部電子情報技術グループ(布川)
TEL 03-2518-6434 FAX 03-3295-8727 [
k-fukawa@jeita.or.jp ]



【 デジタルドキュメント技術に関する調査報告書(2001年度) 】
(1)  付録01 「ブロードバンド時代のリレーションシップビジネス」[html]
(2)  付録02 「人が動いて初めてコンテンツになる」[html]
(3)  付録03 「ブロードバンドコンテンツからリレーションシップビジネスへ」[html]
(4)  付録04 「ifree style concept 2001」[html]
(5)  付録05 「Intimate Strangerが使いこなすP2Pソフト」[html]
(6)  付録06 「P2Pソフト(ファイル交換ソフト)が生み出す社会問題」[html]
(7)  付録07 「ブロードバント時代における患者リテラシーとは」[html]
(8)  付録08 「サイバー時代の(情報の)新しい利用者/提供者モデル、旧モデルとの断絶」[html]
(9)  付録09 「Literacy for Cyber Era」[html]


【 デジタルドキュメント技術に関する調査報告書(2000年度) 】 【 その他 】

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